研修資料・テキストや講演録の多すぎる無断複製やアップロードは、刑事告訴される著作権法違反

著作権相談への回答:研修資料・テキストや講演録の無断複製やアップロードは著作権法違反で刑事罰を受ける。

■ある地方公共団体からの「市民講座」資料等のSNSアップや無断複製の相談への回答は以下のとおりです。

⇒ご質問の件ですが、私もこれまでに自分が著作権の学会にも入っていながら、研修や講演先に強くは言えなくて私自身ももっと法を守ってほしいと思っていることです。

霞が関に行ったときに、東北の○○団体が勝手に渡したらしく、○○○○省某局で私の講演資料が面白くて役に立つ言うことで、たくさんコピーされて管理職などに渡っていました。

うれしい気もしますが、唖然としました。

やっぱり無断利用はやめてほしいと思います。

また先日も、関西では接遇やマナーの女性講師で売れている方から「研修先が勝手にコピーをとって撒いていて困っている」との相談を受けました。

このようなことを思っている講師は口に出しにくいので何も言っていないのですが多いのはないでしょうか。

先日(令和3年4月末日)は、農林水産省の農業団体への行政指導の管理職に、過去にあった、中川総合法務オフィスの研修テキストの無断配布を伝えたところ、4月の全国会議で、徹底させると言っていた。後程、国会で確認してもらうから。

研修先が、研修テキストを使っていいのは、法律的には「著作物利用許諾契約」が口頭で成立しているからなのです。

それは、講演等で参加者に1回限りで渡すことができるのが原則です。

それを超えるときは、契約の範囲を超えていますので特別の約束が必要なのです。

著作権者の保護のためです。

法律的には複製権です。

また講演資料は講師の著作物ですから、それを写真などで撮ったり内容をそのまま写して、SNSを使って流せばこれも著作権法違反です。

法的に大丈夫なのは、私が講演資料で他の方の資料を使っているように、一部の「引用」、事実報道の引用や広報利用を予定した公的出版物の利用です。

ですから、講演資料などを配布したりするときにこれらのことを簡単に案内や配布資料に掲載して、著作権法で認められている引用や学校現場で使うことなど以外は無断利用を差し控えてほしいと明記するのが本当はいいと思います。

LINEなどが怖いのは、特に若い方は軽い気持ちでやってしまうことが多く、この前も、地元京都の○○市立病院の看護研修生が、病院の入院患者の個人情報をSNSで流して問題になったことがありました。

その場合に責任を問われるのは看護生徒もさることながら、やはり病院の管理責任問題で○○市の責任になったようです。

貴地方公共団体様も、温厚な講師が多いのでこれまであまり問題にあっていないかもしれませんが、著作権法違反は10年以下の懲役という厳罰主義に法改正でなっていますので十分にご注意くださいませ。

書き方の例として、

「この講演資料は、著作権法で保護されていますので、無断でコピー等をとって配布されたり、写真に撮ってネットで流すことなどはご遠慮ください」

等の控えめな書き方はどうでしょうか。

参加者の市民の方などの心証を悪くしないような工夫をした伝達がいいでしょう。

以上簡単ですが拙見です。 中川 恒信

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