「知的資産」経営報告書で1千万円の助成金を獲得
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「著作権&知的財産権」相談室 第2号 平成19年10月4日
presented by 中川総合法務オフィス
◆◇◆知的財産権特集━━━━━━━━━━━━━━━◆◇◆◆◇◆
・「知的資産」経営報告書について
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中川総合法務オフィス http://rima21.com/
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◆「知的資産」とは何か。
「知的資産」とは、人材、技術、組織力、顧客とのネットワーク、ブランド等の
目に見えない資産のことで、企業の競争力の源泉となるものです。
これは、特許やノウハウなどの「知的財産」だけではなく、組織や人材、ネッ
トワークなどの企業の強みとなる資産を総称する幅広い考え方であることに注意
が必要です。
企業の財産は大きく「有形資産」と「無形資産」に分かれますが、その無形資産
のうち、「知的財産権」などの目に見えにくいが企業活動の源泉になるものを文
書化して開示していくことが企業の評価を高めていくのです。
◆「知的資産経営」とは何か。
さらに、このような企業に固有の知的資産を認識し、有効に組み合わせて活用
していくことを通じて収益につなげる経営を「知的資産経営」と呼びます。
企業が持続的な利益を目指す「知的資産経営」を続けていくためには、その企
業の取り組みをステークホルダー(取引先、顧客、株主・投資家、従業員、地域
社会など)に認知・評価してもらうことが重要です。
そのため企業は、財務諸表だけでは十分に表現することができない「知的資
産」や知的資産を活用した経営手法について、ステークホルダーに対して情報開
示を行う必要があります。
◆「知的資産経営に関する情報開示」による、開示企業の側のメリット
(1)企業価値が増大する
ステークホルダーからの適切な評価を得ることができるので、企業が持つ実力
を正しく評価してもらえます。
知的資産経営に関する情報開示によって、市場における過小評価が解消されれ
ば被買収リスクも低くなるでしょう。
(2)経営資源が最適に配分される
情報開示のプロセスの中で、自社の知的資産を再認識することで、個々の企業
の内部において価値創造につながる経営資源(人材、資金など)への最適な配分
をもたらします。
つまり、企業ごとに固有の価値創造の方法に経営資源を集中投資することが可
能となります。
(3)資金調達が容易になる
将来価値に対する確度や企業の信頼を高めることにより、幅広い投資家や金融
機関からの評価を得て、資金調達が有利になります。
また、特に情報開示の機会が少ない中小・ベンチャー企業にとっては、知的資
産経営報告を通じて自らの潜在力・成長性を銀行やベンチャーファンドに示すこ
とができます。
(4)従業員のモチベーションが向上する
従業員が自社の強みや知的資産経営の内容を正確に認識することで、個人の仕
事が自社の将来価値にどのように寄与するかが明確になるため、士気が向上しま
す。
今後、団塊の世代の大量退職など、労働市場において人材の確保が困難となる
とみられていますが、知的資産経営報告によって求職者に自社の強み・魅力をア
ピールし、優秀な人材の確保につなげることもできます。
(5)知的資産への再投資が可能となる
企業価値の増大や資金調達が容易になることで、更なる知的資産経営の取り組
みや強みとなる知的資産への投資が増大して、知的資産や価値創造のメカニズム
のいっそうの強化、次なる情報開示につながります。
経験を重ねることで知的資産経営報告の内容・方法も洗練されていき、ステー
クホルダーの理解・信頼感も高まっていきます。
◆「知的資産経営に関する情報開示」による、企業評価者の側のメリット
知的資産経営に関する情報開示が進むと、開示する側の企業だけでなく、開示
内容を評価するアナリストや投資家等の「企業評価者」にとっても複数のメリッ
トがあります。
(1)企業価値の分析精度が高まる
従来あまり詳しく評価されてこなかった知的資産経営の評価、つまり企業が中
長期的にどのように将来の価値を生み出すのかという分析を行うことで、企業の
本質的な価値を掴み、アナリストや投資家の分析精度は向上します。
(2)企業のリスクを評価できる
これまで、企業の経営に大きな影響を及ぼす「リスク情報」に関しては、開示
されている定性情報の中でもとくに見えにくい部分でした。
企業の知的資産経営の開示内容を分析することで、企業がどのようなことに取
り組み、逆に取り組んでいないのかを明確化でき、それらをたとえば業界内で比
較することによって、企業の将来の事業リスクが鮮明に見えてきます。
リスクが将来的に顕在化する場合の業績を予測することが可能となれば、(1)と
同様に、企業分析の精度が高まります。
(3)成長性の高い企業を見抜くことができる
知的資産経営に関する情報開示では短期的な利益等の情報ではなく、中長期的
な企業価値を高めるための価値創造のプロセスが示されます。
投資家などの企業評価者にとっては、将来業績の予測に重要な影響を与える企
業の先行投資に関する情報を掴むことができるため、企業の成長性を的確に見極
めることができます。
★知的資産経営報告と既存の報告書等の関係
・知的資産経営報告の内容を詳細に説明する報告書等があれば別添する。
(例えば、知財を活用した事業から多くの収益を得ている企業は、知的財産報
告書を作成し、知的資産経営報告を詳細に説明する報告書として別添する。)
1.財務諸表
財務データに関する情報
2.環境報告書
環境の維持・改善に関する情報
3.知的財産報告書
知的財産に関する情報
4.CSR報告書
CSRに関する情報
5.その他、「内部統制報告書」「コンプライアンス報告書」等
※参考 経済産業省「知的資産経営ポータル」
⇒⇒⇒中川総合法務オフィスでは、「知的資産経営報告書」の作成を承ります。
ただいま、通常の半額以下で費用がすむモニター企業を募集しています。
★申し込み(お問い合わせ)メールアドレス
rima64725@yahoo.co.jp
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3.編集後記
(1)創刊の言葉
はじめまして。中川総合法務オフィス代表の中川です。
中川総合法務オフィスは、これまで著作権や知的財産権についての実務を扱っ
てきました。
今回、このメールマガジンを発行し、これまでの経験から、著作権や知的財産
権に関する話題を皆さんに提供し、少しでもお役に立てればいいと思いました。
それがこのメールマガジンを発行する趣旨です。
よろしくお願いします。
(2)「近時の著作権と知的財産権…頻繁な法改正と創作者の保護」
日本は、小泉元総理のリードのもとで、知財立国を目指し、一定の成果を挙げ
てきました。しかし、お隣の中国や韓国も、国家政策として、ハードよりソフト
を重視してきています。
今後は、これらの国とも競争になります。鉱産資源の少ない日本は、知的生産
によって、財を築くしかありません。
そのために、創作者の保護として、特許法や著作権法は頻繁に法改正がなされ
ています。特許は、産業財産権ですが、著作権法も文化の進展も図りながら、産
業政策と無縁ではありません。ソフトウエアは著作権法の保護対象です。
もっとも、知財を利用するものの立場も重要です。そのための法改正もありま
す。
これらの動きを、判例や実務の動きを踏まえながら、このメールマガジンで扱っ
ていきます。
2006(C)Nakagawa Office
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