著作権に関する英文契約書(ボブディランはフジロックフェスティバルにどんな契約で出演して帰ったのか)

1、英文契約書の実務状況

■著作権に関する英文契約書は、準拠法が日本法のものについては作成をしたことがある。

優秀な翻訳家が関わってくれて、10数年にわたって原版としてその時その時の状況に合わせて改訂しながら使い続けている。

■国際裁判管轄権と仲裁についても法務相談を受けたことがあるが、司法試験で国際私法を選択していたので二重反致も含めて解決した。

★また、著作権処理が難しい『国際的各種コンテスト著作権契約書作成,契約立会い業務の受付』の時は、あまりうまくない英語発音で即興で著作権契約を解説した。

最も爆笑したのは、海外のミュージシャンが日本の国際コンクールに参加するときは、少しは日本語がわかる方が多くて、キーワードを日本語言ったら「わかった」と会場の奥から返答があったときである。なんだ日本語もわかるのかと大笑いした。

2、増える英文契約書の需要

■製品・サービス詳細現在日本の各地で開催されるようになった国際的なコンテストなどでは著作権の絡んでくることが多く,実施に当たって契約をきちんと結んでおかないと後々にトラブルになることが多く,英文契約書の内容と体裁が大切になってきている。

例えば音楽の国際的コンテストでは,ジャスラックや海外の著作権者との権利処理が必要である。

また,国内的各種コンテストや応募作品の募集でも著作権処理が権利意識の高まった今日ではますます大切で,その権利処理も蔑ろにできない。

3.【英文契約の基礎知識】

■【契約の成立】ContractとAgreement

英米法上の契約(Contract)は、2人以上の当事者の間で合意され(agree)、その合意が法律上(裁判所により)強制されうる(enforceable)ものである。

「契約とは、当事者間の合意から派生するこの法律および他の適用されるべきいっさいの法規範によって法的意味を付与された権利義務の総体」

(米国統一商法典(UniformCommercialCode:U.C.C.201(11))とされる。

英米法の下では単なる合意だけでは、契約といえない。合意に加えて「約因」(consideration)がないと契約として成立しない。

つまり、order → acceptance → agreement → (consideration) = Contract となる。

ここでいう「約因」とは、両当事者に発生する取引上の損失である。

売主には物を失う損失があり買主には金銭を失う損失がある。

4、ボブディランはフジロックフェスティバルにどんな契約で出演するのか

ボブディランが、2018年の夏に、台風の間を縫って、フジロックフェスティバルに出演して帰った。

肖像権には厳しい注文を出して、自らの写真撮影はコンサート中に認めなかったようだ。

このようなミュージシャンの出演契約は上記のようにしたことがあるのだけども、次の安藤さんのサイトに優れたものがある。著作権法学会で、発表者になられていた時に、お目にかかった。学者で会社経営・実務家、素晴らしい能力。

http://www.septima.co.jp/contracts/

少し引用すると、

MUSICAL PERFORMANCE AGREEMENT

This AGREEMENT is made and entered into this first day of April, 2018,
BY AND BETWEEN
hereinafter referred to as “Company”
AND
hereinafter referred to as “Artist”
NOW AND THEREFORE, in consideration of the mutual covenants and conditions contained herein, the
parties hereby agree as follows:

このようなものにボブディランもサインして参加したわけだ

相続おもいやり相談室の最新情報をお届けします