1.著作権の侵害への対応の基本

著作権侵害がなされた時には、違法性と責任が相手にあれば、相手方への刑事告訴と民事賠償請求が可能である。

この場合に、著作権侵害は10年以下、著作者人格権侵害は5年以下のそれぞれ懲役刑などの刑罰である(著作権法119条)。

また、民法709条以下の損害賠償のほかに、著作権法独自の民事請求として、侵害行為の差止請求(著作権法112条1項)と名誉回復措置(著作権法115条)も可能である。

なお、改正法で加えられたものに、損害賠償の立証を容易にする規定が著作権法114条等にあり、証拠の開示命令などの規定も114条の3等にある。

逆に訴えられた場合には、自己の権利を保護するために、相手方の著作権の存否から調査することが不可欠である。

万一、訴訟になったときは、よくお願いしている弁護士に担当してもらって対応している。

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2.著作権侵害における法的対抗手段

著作権が侵害されたとの相談があるときに、まずその著作物性の判断が必要で、著作権法第2条にある「思想又は感情を創作的に表現したもので、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するもの(プログラムも含む)」かどうかからスタートする

次に、相手に何らかの通信手段でその旨を知らせる。

実は、この段階で解決するものも多い。

相手が侵害を否定すれば、訴訟を視野に入れて、内容証明の送付になる。

それでもダメなときは、紛争解決斡旋制度の利用か、訴訟になろう。

3.内容証明郵便による著作権侵害の通知の実例

これは、後日の訴訟の証拠にもなるし、民法改正より前は時効中断効に繋がる効力を持っていたし、訴訟前の段階として十分意味がある。なによりも、インパクトがあるからが最大の理由であるが。
効果的に法的対抗手段とするには、下記の文面を参考にする。

◆内容証明郵便の参考例

「通 知 書」

当職は、名古屋三郎氏より下記のような依頼を受け、過日貴社にご連絡を差し上げた。

一 貴社仙台四郎株式会社は長年にわたり名古屋三郎作詞作曲のCMソングを使っているが当初の予想を遙かに上回る年月が経過しており再度の利用許諾契約が必要であること。

二 しかも無断で作詞の改変並びに編曲をしており容認しがたいこと。

三 右を主張したいので、著作権の権利関係の法律構成を自らして、貴社に説明してほしいこと。

当職はこの依頼を受け貴社にご連絡申し上げたところ、責任者が営業…以下略

4.著作権法の紛争解決斡旋制度の利用

■あっせん(著作権法105条以下)…当事者の申請により文化庁長官の指定するあっせん委員によってなされるものである。

東京のみでしか利用できず,利用者も少ない。

私も、何度も利用したが使いかってが悪くて断念した。

その時に文化庁とやり取りして分かったことであるが、そもそも、過去には全体で3例ほどしかなかった。

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